寒い日が続いていますね。
ある日、帽子を脱いだら頭皮(フケ)がポロポロついていた、なんて経験はありませんか?
今日は、脂漏性皮膚炎についてお話ししたいと思います。
脂漏性皮膚炎とは、皮膚の常在菌であるマラセチアというカビ(真菌)の一種が原因と言われています。マラセチアは皮脂を栄養源としているため、皮脂の分泌量が多いところ、例えば、頭皮やおでこなどにマラセチアが増殖し、痒みやフケ、皮剥けなどの症状を発生させます。
一見、皮脂の分泌物が多いと聞くと成人にしかならないようなイメージですが、実は生後2〜3週の赤ちゃんにも発症する症例が多くあります。それを乳児脂漏性皮膚炎といい、生後2~3週から出現し、 4~ 8ヶ月までに消退して行く疾患で、乳児の2~5%に日常的に見られる疾患です。
治療方法としては、痒みや赤みなどの症状が強い場合は、ステロイド外用薬で炎症を抑えます。しかし、それはあくまでも炎症を抑えているだけであるため、増殖してしまったマラセチア(カビ)を減らす治療が必要です。そこで、カビを減らす効果のある抗真菌外用薬を処方します。この外用薬は毎日外用する方法が効果的ですが、毎日となると面倒で続きにくいです。そこで、当院では抗真菌薬が配合されたシャンプーや石鹼の使用をお勧めいたします。軽症の方であれば、こちらを使用するだけで治ることもあります。
治癒したら中断することも可能ですが、常在菌のカビが原因であるため、いずれまた再燃することが多い病気です。
フケでお困りのあなた!ぜひ、お気軽に当院へご相談しにお越しください。
(参考文献)
1)脂漏性皮膚炎―臨床症状と各種外用剤の治療効果―
日本医真菌学会雑誌44 巻 2 号 p. 77-80
【著者】清 佳浩(昭和大学藤が丘病院皮膚科)
2)やさしく学べる皮膚疾患32
メディカルレビュー社出版
【監修】川島 眞(東京女子医科大学名誉教授)