紫外線治療ナローバンド・エキシマライトについて

昔から日光浴はアトピーのかゆみに効く、と言われていました。

実際、紫外線には免疫を抑制する効果があり、様々な皮膚病に効果があります。

しかしご存じの通り紫外線には人体に有害なものも含まれています。

そこで、どの波長が人体に有害なのか、どの波長が安全で皮膚病に有効なのか研究がなされました。

まずナローバンドUVAという紫外線治療が使用されました。しかしUVAは光感受性増感剤の内服が必要で、患者様に負担が大きく、入院して照射することが一般的でした。

その後研究が進みUVBという中波長紫外線がさらに有効であることがわかりました。

治療に有効な波長はその中でも308~313㎜の波長であることがわかり、それ以外の波長が出ない照射装置が開発されました。

それが当院で使用しているナローバンドUVBです。また、さらに最新のものとして308㎜の波長を照射するエキシマライトというものも開発されました。

当院ではナローバンドを全身用、エキシマライトを局所用として処置に使用しております。

(ナローバンド・エキシマライトの効果について)

免疫を抑える効果があることから、アトピー性皮膚炎や乾癬、白斑、円形脱毛症、掌蹠膿疱症など様々な疾患に対してナローバンド・エキシマライトの効果は検証されており、保険適応で処置が行える場合があります。

アトピー性皮膚炎の場合、かゆみに対しては1度の照射で1週間程度の効果があります。1週間に1度程度、継続して照射を受けていただくことで良い状態を保つことができます。

またアトピー性皮膚炎の治療は外用が中心となってますが全身に症状がある場合、毎日全身に薬を塗ることには困難が伴います。その点で、ナローバンドであれば全身に照射が可能であり、毎日たくさん薬を塗る辛さも減少させることができます。

乾癬に対しては10回程度~、白斑は60回程度~、掌蹠膿疱症に対しては10回程度~、効果を感じられる方が多いといわれています。

 

ナローバンド・エキシマライトは保険適応で月8回まで、1回あたり1000円程度(3割負担の場合)で受けていただけます。処置は数分で終了します。

最初から強い光を当ててしまうとやけどのリスクや、ヒリヒリしたり痒みが増してしまったりすることもございますので弱い光から当てさせていただきます。診察時には日光に弱くないか、ナローバンド・エキシマ後、赤くなったりヒリヒリするような症状がなかったか、教えていただいて調整させていただきます。短い間隔で照射に来ていただければ、光の数値を上げていくこともできますのでより効果的です。

今まで飲み薬や塗り薬でなかなか良くならなかったという方も、ナローバンド・エキシマを継続して受けていただいて驚くほどよくなられる方もいらっしゃいます。ぜひ一度ご相談にいらしてください。

 

(参考文献)

森田明里 編集企画『ナローバンドUVB実践マニュアル」

(2010年10月、全日本病院出版社、「Monthly Book Derma.2010年11月号」)

さの皮フ科クリニック|京都|

2021年12月27日 月曜日