マダニ刺咬症

例年よりも早く梅雨入りをし、京都も例外なくジメジメとした日が続いておりますね。
夏は様々な虫による皮膚疾患に悩まされる時期ですが、その中でもダニによる皮膚疾患で“マダニ刺咬症”をご存じでしょうか?

マダニは肉眼で見える大きさのダニで、大きさは2~8mm程度です。人や動物の皮膚に吸着して血を吸います。血を吸うと体の大きさは倍にまで大きくなるといわれているので、最初に見つけたときはゴミのようなものが体に付着していると勘違いされる方が多いです。そのため、無理に引っぱってしまわれる方もおられますが、引っぱるのは厳禁です!
吸着しているマダニを無理に引っぱると、体に口器を残してちぎれてしまい異物肉芽腫などの別の疾患を引き起こしてしまったり、ライム病という感染症にかかってしまう恐れもあります。
10日間ほどで脱落するといわれていますが、体に小さなゴミのような付着物を見つけた際はむやみに引っ張らずによく観察し、マダニだと疑われる場合は必ず皮膚科のご受診をお願い致します。

マダニは山林などの草木に生息しています。レジャーを楽しめる季節になってまいりましたので、山など自然の多いところに行かれる際は露出を控え対策を忘れず楽しみましょう。

参考文献
・株式会社金芳堂 2016年10月15日発行
『皮膚科学 第10版』
著者:大塚 藤男 原著:上野 賢一
・株式会社中山書店 2005年11月25日発行
『あたらしい皮膚科学』
著者:清水 宏

さの皮フ科クリニック|京都|

2021年5月26日 水曜日