寒冷蕁麻疹

寒さが続いておりますが、寒冷蕁麻疹はご存知でしょうか?

寒冷蕁麻疹とは蕁麻疹の一種です。

蕁麻疹といえば、食べもののアレルギーからであったり、ウイルス感染のよるものであったりのイメージが強いかと思いますが、摩擦や日光、気温など物理的な刺激によって発症する『物理性蕁麻疹』もあります。

その中で、冷たさや寒さによる刺激により発症するのが寒冷蕁麻疹で、痒みを伴った赤いぶつぶつや腫れ(膨疹)が症状として出ます。

寒冷蕁麻疹には、体の一部のみに冷却刺激が加わってその部位のみに発症する『局所性』と全身が冷えることで全身に発症する『全身性』があります。局所性蕁麻疹が95%以上を占めるといわれています。

局所性寒冷蕁麻疹も全身性寒冷蕁麻疹も、よくある蕁麻疹と同様に、たいていは出てから数時間~24時間以内で痕を残さず消失しますが、再度寒冷刺激を受けると繰り返し現れることがあります。

軽度の寒冷蕁麻疹であれば、治療をしなくても自然におさまってくることもありますので、下記のセルフケアと予防法を試してみてください。

*自身でできるセルフケアと予防法

他の蕁麻疹とは違い、寒冷蕁麻疹は温めることで症状が改善することがあります。

①症状の出やすい部分を重ね着する

②暖かい部屋で全身を温める

③寒暖の差を作らない(外出時は防寒対策を行う)

④冷たい飲み物や食べ物をできるだけ避ける

⑤1年を通して体を冷やさないように注意する

症状が数年など長期に続くこともあるので、症状が続いていたり再発を繰り返している場合は、皮膚科を受診するようにしてください。

*皮膚科での治療

皮膚科ではどんな治療を行うかというと、問診で蕁麻疹がでたときの状況をお伺いし、寒冷刺激がきっかけで起きる蕁麻疹かどうかを診断します。痒み、赤みなどの蕁麻疹の症状に対して抗ヒスタミン薬の内服によって治療し、再発をくりかえしている場合は、内服を続けてコントロールします。

医師が必要と判断した場合、寒冷負荷試験や血液検査を行う場合もあり、寒冷負荷試験が必要な場合は総合病院へご紹介となります。

寒冷蕁麻疹かなと思う症状がある場合には、お気軽に診察の際にご相談ください。

参考文献

・クリニコ出版 じんましん 病型別治療ガイド

広島大学 医学部長 広島大学大学院医系科学研究科皮膚科学 教授 秀 道広 編

 

 

 

 

さの皮フ科クリニック|京都|

2021年1月25日 月曜日