掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)

 掌蹠膿疱症、聞き慣れない病名ですが書いた字の如く、手のひらと足の裏に膿を持った小さな湿疹が繰り返しできる皮膚の病気です。湿疹の出始めには痒みが出ることもあるようです。最初小さな水ぶくれができ始め、黄色く膿をもち次第に茶色くなり、乾燥してくると皮やかさぶたが剥がれ落ちます。古い水疱がなくなると新しい水疱が繰り返しできる慢性疾患です。鎖骨や胸骨に関節炎のような痛みや、爪の陥没、厚みなどが出てくることもあります。人に感染したり、他の部位にうつることはありません。扁桃炎、虫歯、副鼻腔炎、中耳炎などの病巣感染や、歯科治療での金属アレルギー、喫煙などが関係していることもあるようですが、はっきりとした原因は分かっていません。かく言う私も過去に掌蹠膿疱症に罹患し、特に朝の起床時など手足を動かすとパキパキとひび割れて強い痛みを伴い、言うに言われぬとても辛い経験をしました。私の場合は溶連菌の数値が高く、扁桃腺の切除により症状が改善しました。

 当クリニックではステロイド、ビタミンD配合の軟膏、紫外線治療も行っています。また症状の重い方には服薬も処方させていただいてます。

 対処療法で症状を軽くして生活に支障のないようにコントロールしていければと思います。症状にお心当たりのある方は皮膚科のご受診をお勧めします。

参考文献:札幌乾癬研究所 所長 飯塚 一先生 関東中央病院 皮膚科部長 鑑 慎司先生

 

さの皮フ科クリニック|京都|

2021年2月24日 水曜日