足白癬の対策

梅雨に入り、水虫患者さんが増えています。

水虫は医療用語で白癬(はくせん)と言います。

世間では足白癬は痒いものだと誤解されていることが多いのですが、足白癬の人で痒みがあるのは10%程度です。

「足の指の間がふやけて白くなったり、ジュクジュクする」、「足の指の間や足の裏の皮が剥ける」、「足の裏に小さい水膨れができる」などの症状があれば、一度皮膚科を受診してください。

 

<現在症状がある方>

足白癬に対して適切な外用治療を実施さえすれば、おおむね1カ月以内には環境中への菌の散布がほとんどない状態を達成できると言われています。つまり、1カ月間の治療で家庭内感染を予防できます。家族や周りの人にうつさないように適切な治療を受けましょう。(再発することも多いため、3カ月間外用治療を継続することがお勧めです。)

 

<家庭内に疑わしい方がいる方>

・裸足になりやすい浴室周辺を中心に、念入りに掃除機をかけましょう。

白癬菌は、髪の毛やほこり、垢などにまみれて、部屋の隅っこなどゴミが溜まりやすい所にいます。

・足拭きマットやスリッパは共有せず、頻繁に洗濯しましょう。

・足を洗う時は石鹸をよく泡立てて、こすらず優しく、指の間まで洗いましょう。

白癬菌が皮膚内に侵入し、感染が成立するまで最低24時間かかりますが、足の皮膚に傷口がある場合は、12時間で感染するというデータがあります。ゴシゴシ洗いをすると皮膚に傷がついて白癬になりやすくなります。軽石などでかかとなどをゴシゴシすることも角質を傷つけ白癬菌が感染するリスクを高くしてしまうので、要注意です。

 

家庭内に1人足白癬の人がいると、かなり高い確率で周りの人へもうつってしまいます。自分のためにはもちろん、家族や周りの人への感染を防ぐためにも早急な治療を心がけましょう。

 

引用・参考文献

1)東京医科大学教授 原田和俊,Derma. No.310 2021年6月号 白癬を究める

全日本病院出版会,2021,p72-73

2)白癬,皮膚科Q&A,公益社団法人 日本皮膚科学会

https://www.dermatol.or.jp/qa/qa10/q26.html

さの皮フ科クリニック|京都|

2022年6月20日 月曜日