最近一段と寒くなり、「お風呂に入ると痒くなる」「肌が乾燥している」、というお悩みが多くなってきました。
そこで今回は、適切なスキンケアについてお話させていただきます。
スキンケアの基本は、悪化因子を取り除き、皮膚を正常に保つことです。
汗や垢などの悪化因子を取り除くため入浴やシャワー浴によるスキンケアは不可欠ですが、それらを適切に行わないとかえって「ドライスキン」になり、発疹やかゆみなどの症状が悪化してしまいます。
では、「ドライスキン」にならないためにはどうしたら良いのでしょうか?
ポイントは6つです。
①石鹸はできるだけ低刺激・弱酸性・無香料・無着色の製品を選びましょう。
ヒトの皮膚のpHは弱酸性であるため、アルカリ性に傾くと角質の破壊や常在菌の消失などの生理学的な異常をきたしてしまいます。
通常の石鹸は、主成分が脂肪酸のナトリウム塩であるものが多くアルカリ性であり、頭髪用のシャンプーは中性洗剤で脱脂力が強いです。また、色素や香料、気泡剤、助剤が含まれ、これらが皮膚への刺激性を高めることがあります。
低刺激性石鹸は、ヒトの皮膚pHに近い酸性度を持っており、基材が低刺激で低アレルギー性です。また、脱脂力も少なくしているため、皮膚への刺激性が低いです。
②石鹸の使用は、1日1回にしましょう。
昼のシャワー浴では石鹸は使わず、汗や泥、砂を温水で洗い流すだけで十分です。
③身体を洗浄する際は、石鹸を手のひらで泡立ててなでるように洗いましょう。
良く泡立てないと洗浄力は十分に発揮されず、皮膚に石鹸成分が残ってしまうことがあります。そのため、ネットなどでしっかり泡立て、あかすり・ナイロンタオルなどでゴシゴシ洗うのではなく、手のひらで優しく洗うようにしてください。
④石鹸は十分に洗い流しましょう。
残ってしまった石鹸の成分で皮膚バリア機能が破壊されることもあるため、十分に洗い流すようにしてください。
頭→顔→身体と上から順番に洗うことで石鹸の流し残しがなくなるためオススメです。
⑤洗髪後はなるべくドライヤーを使用しないようにしましょう。
洗髪後にドライヤーを使用すると、皮膚が乾燥しすぎてしまうので、タオルで丁寧に拭いた後、自然乾燥させるといいです。
ドライヤーを使用する場合は、温度を低めにして半乾きの状態でやめましょう。
⑥入浴後はすぐに保湿をしましょう。
乾燥部位に保湿剤を塗ると薬の伸びが悪いため、入浴後など皮膚の温度が高く、角質内の水分が十分であるときに塗ったほうが効果的と言われています。ですので、入浴後5~10分以内に保湿剤を塗って下さい。
保湿剤は朝と入浴後の1日2回以上、できれば6時間おきに塗るのが理想です。
朝塗るのがむずかしいという方は多くいらっしゃるとおもいます。その場合は1日1回、より効果の高い入浴後に毎日しっかり保湿剤を塗るようにしてください。
以上のポイントに気を付けてみてください。
保湿剤はたくさんあってどれを使ったらいいのか?とお悩みの方
保湿剤についてもお話させていただきます。
保湿剤は軟膏、クリーム、ローション、フォームなどさまざまな種類があります。
〈軟膏〉
・皮膚への刺激が他の種類と比べて少なく、皮膚を保護する力が強い。
・塗った部分がテカったりベタベタすることがある。
〈クリーム〉
・軟膏に比べてべたつき、テカりが少なく、衣服から出ている部分にも使いやすい。
・皮膚を保護する力は軟膏とローションの中間程度。
〈ローション〉
・さっぱりした使い心地でべたつかないため、衣服から出ている部分にも使いやすい。
・広い範囲や、髪の毛のある頭皮に使う場合も塗りやすい。
〈フォーム〉
・泡となって出てくるため、広い範囲で素早く塗ることが出来る。
・さっぱりとした使い心地でべたつかない。
〈季節に応じた選び方〉
・夏はさっぱりとして使い心地が良いフォームやローション
・冬は皮膚を保護する働きに優れた軟膏やクリーム
〈塗る場所に応じた選び方〉
・塗る範囲が広い背中などは塗り広げやすいフォームやローション
・手など被覆性を求める部位には軟膏やクリーム
〈塗る時間に応じた選び方〉
・朝の忙しい時間帯は時短で塗れることができるフォームやローション
・時間に余裕があるときは軟膏やクリーム
保湿剤によるスキンケアは1年をとおして続けるものになるので、お好みの種類・季節・時間帯・塗る場所に応じて使い分けてみてください。
当院では、さまざまな肌トラブルの解決をするべく、とことん保湿・低刺激にこだわったスキンケア商品【Sコスメ】を開発しました!
現在のラインナップは3つ!
①洗顔
泡出てくるタイプなので、楽に肌をやさしく洗顔!
どなたにも使っていただけるよう低刺激にこだわりました。
②化粧水
3種類のヒアルロン酸を配合しており、高保湿なのにべたつかずさっぱりした使い心地!
③美容液
乾燥しやすい方は美容液で補っていただくのがおすすめです。
大容量なのでたっぷり保湿ができ、ハリ・ツヤUP!
ご興味ある方は、クリニックにサンプルがございますので是非お手にとってみてください!
また、ネット通販も行っておりますので、よろしければこちらもご参照ください。
SHC ONLINESHOP (shc-kyoto.com)
引用・参考文献
- 『エキスパートが答える!アトピー性皮膚炎Q&A55』(2014)
株式会社 診断と治療社
【編集】加藤則人(京都府立医科大学皮膚科教授)
- 『敏感肌の診察-スキンケアの指導からタイプ別の診療まで―』(2016)
株式会社メディカルレビュー社
【著者】漆畑修(宇野皮膚科医院院長 東邦大学客員教授)
- Webサイト『もっと知ろう!乾燥肌』
マルホ株式会社