接触皮膚炎とは、原因となる物質が皮膚に触れて起きる湿疹性の炎症反応、いわゆる『かぶれ』で、強いかゆみを生じます。皮膚に触れるものは、全てが皮膚炎の原因となり得ます。
お顔でいうと、鼻部は皮脂が多いため症状が出ないことが多く、眼の周囲は症状が出やすいです。原因によっては、顔全体に出ることもあります。
接触皮膚炎は、
①誰にでも起こり得る一次刺激性接触皮膚炎
②アレルギー感作が生じた人にだけ起こるアレルギー性接触皮膚炎
に分けられます。
直接接触した部位から離れた所に症状が現れたり(自家感作性皮膚炎)、紫外線が関与して生じたりする(光接触皮膚炎)ことがあります。
原因物質との接触から数時間後(一次刺激性接触皮膚炎)ないし、24時間以上してから(アレルギー性接触皮膚炎)接触部位に炎症を生じるため、原因を明らかにできることが多いです。
接触皮膚炎の治療は、原因物質を特定し、避けることが大原則となり、症状に合わせたランクのステロイド外用薬を用いて炎症を早期に抑え、かゆみに対しては抗アレルギー剤の内服が有効です。重症の場合は、短期間のステロイド薬内服が必要となることもあります。
一時的はかぶれの場合は、数日で軽快傾向となりますが、日常の中に原因が潜んでいる場合は繰り返すため、アレルギー性接触皮膚炎が疑われる際などは、原因の確定のためにパッチテストが有効です。
原因の分からない場合は、かぶれやすい物質をピックアップした21種類のアレルゲンを含む22種類のパッチテストがあり、当院でも予約で検査を行っております。貼付と判定と決まった日時に3回ご来院いただく検査となります。
金属シリーズやお使いのもののパッチテストがご希望の際は総合病院へ紹介もさせていただいております。
原因物質が特定できれば、防ぐことのできる病気ですので、ご希望の際はご相談ください。
参考文献:
・メディカルレビュー社
敏感肌の診療 スキンケアの指導からタイプ別の治療まで
宇野皮膚科医院 院長 東邦大学 客員教授 漆畑 修
・すてきなナースへのレシピ 皮膚の病気がわかるエッセンス
《監修》東京女子医科大学 皮膚科 教授 川島 眞