令和初の新年をおかげさまでクリニックのスタッフ皆元気に迎えることができました。今年は更に飛躍の年になるようスタッフ一同頑張ってまいりますので、今年もよろしくお願いします。
今年の冬はそれほど寒くないのでありがたく思っています。ただ、雪が降らなかったり、春の花が早く咲いたりすることで温暖化の問題が身近に感じられて複雑な気持ちになります。微力ながら、家庭ゴミを減らしたり、節電したり、個人でもできることはしています。
さて、空気が乾燥して気温が下がってくるとインフルエンザの罹患率が上がってきます。最近では、中国武漢でのコロナウィルスによる新型肺炎の感染拡大も大きな社会的な問題となっています。これらの感染を予防する上で欠かせないものの1つに“手洗い“があげられます。しかし、ハンドケアをしっかり行わないと、手が荒れてきて手洗いが億劫になり、インフルエンザやその他の細菌やウィルスに感染してしまうという悪循環を招きかねません。この時期だからこそ、しっかり手洗い・ハンドケアをしたいものです。
手洗いをするときに、特に気をつける点は、まず水の温度です。水は冷たいため、お湯を使うことがほとんどだと思います。お湯では皮脂が奪われてしまうので、体温より低いぬるま湯(37℃以下)を使うのが望まれます。
~手洗い~
流水(ぬるま湯)で手を濡らします。泡の石鹸をこんもりと手のひらにのせ、手のひら、甲、指一本一本、指の間、指先・爪の間、手首の順に洗っていきます。爪の間は反対側の手のひらの上で指先をこするように洗うと良いでしょう。泡の石鹸は最後まで手に残るくらいの量が良いそうです。その後流水(ぬるま湯)で洗い流します。手の拭き方も、外出先でよく見かける温風機は乾燥しすぎたり、水分を飛ばしきれないまま終了したりするので、かえって乾燥、手荒れを招くため、ペーパータオルや清潔なハンカチなどで水分をしっかりやさしく押さえ拭きする。
~ハンドケア~
手洗い後ハンドクリームを塗って、乾燥から皮膚を保護してください。日中のハンドケアが難しい方は、寝る前にしっかりハンドクリームを塗っておやすみください。ベタつくのが嫌な方はハンドクリームを塗ってから綿の手袋をはめて寝られることもお勧めです。
手先がパックリ割れたり、手荒れが悪化し痒みや湿疹が出てきた場合はそのままにせずに、一度皮膚科を受診していただいて、早めの治療をお勧めします。
また、手荒れの原因がなんらかのアレルゲンで症状が誘発されている場合があり、原因を調べて原因を排除する必要があります。その場合パッチテストの検査(パッチテストパネル24種類{金属4種類含む})で検証することができます。それ以上の細かな検査をご希望の場合は、検査できる病院を紹介しています。
当院ではスキンケア指導、症状に合わせた外用薬(ステロイド軟膏、亜鉛華軟膏+ステロイド軟膏MIX{湿布のようにガーゼにのばして、24時間貼ったまま使用可}、ハンドクリーム、保湿剤)また必要に応じて内服薬(痒み止め)をお出ししています。
手洗い、ハンドケアをしっかり行い、感染予防に努めたいものです。
-市販のハンドクリームの選び方-
・乾燥によるガサガサタイプ→ビタミン系
・かさつき、粉吹きタイプ→保湿系
・角化(肘、膝、かかと)ゴワゴワタイプ→尿素系
参考資料
京都新聞 (2020年1月13日 21面)
参考文献
済生会川口総合病院主任部長 高岡かおる 手湿疹トリート Derma. No.248 2016年