*乾癬とは: 主に頭皮、爪、肘、膝、腰臀部、足などの皮膚にできやすい炎症性の皮疹で、皮膚が赤く盛り上がる、皮膚がはがれ白い粉のような物が落ちる、強い痒みや搔くことにより出血などが生じる病気で、患者さんによって発症する部位や症状は様々で長期間に渡り良くなったり悪くなったりを繰り返します。日本では40万人以上の患者さんがいるとも言われていますが、近年増加傾向にあるようです。他の人に伝染することはありません。家族では遺伝的に4〜5%の確率で発症する可能性があると言われています。
*なりやすいタイプ: ストレスに弱くためやすい、睡眠不足、糖尿病、肥満、飲酒喫煙、神経質、生活が不規則などの素因を持った人がかかりやすいと言われています。
*当クリニックの治療は: ステロイドやビタミンDなどの外用薬や抗ヒスタミンやシクロスポリンなどの炎症や痒みを抑制する内服薬、又、免疫調整薬のオテズラ錠という内服療法と紫外線照射の全身型のナローバンドUVB療法(発疹の面積の広い方に)や発疹部位のみに局所照射できる(ナローバンドの180倍の出力の)エキシマライトなどを組み合わせて症状を緩和できるようにおすすめしています。紫外線療法は週に1〜2回の照射で10回目くらいから効果を感じられると思います。病気の状態やQOL(生活の質)に合わせてその方に適した治療を推奨しています。
*気をつけること: 特に冬は皮膚が乾燥し鱗屑が目立ちやすくなるので保湿を心がけて乾燥を防ぐように、掻いて広がらないよう、薬をしっかり塗り、飲み薬も併用するなど早めの受診と医師の指示に従っていただければと思います。また、風邪が乾癬を悪化させることもあります。うがい手洗いで風邪を予防することもお忘れなく。
*参考文献: 患者さんのための乾癬便利帳 監修:自治医科大学皮膚科学講座 教授 大槻マミ太郎先生、東京逓信病院 副医院長兼皮膚科部長 江藤隆史先生