・帯状疱疹とは・・
体の片側にまず神経痛が生じ、数日遅れてその部位に帯状に紅斑(斑とは皮膚の色の変化で、紅斑は赤くみえるもの)、丘疹(皮膚が隆起した病変)、水疱(水ぶくれ)ができ、さらに痛みが増強していく疾患です。
3週間ほどで治癒しますが、瘢痕(外傷が治癒したあと皮膚に残る変性部分)と後遺症として神経痛(皮膚に刺すような電気が走るような慢性の疼痛)を残すことがあります。生涯に一度なることが多いですが、まれに2回以上なることがあります。
原因は、神経節に潜伏していた水ぼうそうのウイルスで、疲労やストレスなどでウイルスが再活性化して生じます。
・帯状疱疹の治療方法
① 早期に受診していただき、抗ヘルペスウイルス薬を7日間内服治療をします。
② 急性期痛の時期から後遺症の神経痛への対策の内服薬も開始します。
③ 皮膚潰瘍の保護として、軟膏で患部を保護していただきます。
・帯状疱疹時に気を付けていただきたいポイント
① 治療か遅れると、神経痛の発症頻度が高くなりやすくなるため、早期受診、早期治療が重要です。
② 免疫力が弱っている状態なので、7日程度はゆっくり安静を心がけましょう。
③ 冷えると痛みが増すため、ホットタオルなどで温めたり、入浴したり患部を温めて血行を促すようにしてください。
④ 皮膚が破れると最近による二次感染がおこりやすくなるので、掻き壊したり破ったりしまいようにしましょう。
⑤ 帯状疱疹の患者さんから他者にうつることはないですが、水ぼうそうにかかったことのない乳幼児への接触は、水ぼうそうを発症させる可能性があるため、避けてください。
・帯状疱疹ワクチンのご案内
当院では現在では帯状疱疹ワクチンをさせていただいております。
帯状疱疹は、80歳までに約3人に1人がかかる身近な疾患です。
加齢とともに帯状疱疹後神経痛への移行リスクは高くなり、50歳以上の患者さんの約2割が以降すると報告されています。
水痘ワクチンを接種する事で帯状疱疹の発症、帯状疱疹後神経痛の発症を抑制する事ができます。ワクチンの効果は1回接種で10年ほどといわれています。
50歳以上の方、1回10000円(税抜)で行っておりますので、ご希望の方はご相談ください。
※ 参考文献
・すてきなナースへのレシピ 皮膚の病気がわかるエッセンス 《監修》東京女子医科大学 皮膚科教授 川島 眞
・皮膚科学看護スキルアップシリーズ③ たった20項目で学べる 皮膚疾患 安部正敏 学研メディカル秀潤社 2015