院長雑感part5(病診連携)

病診連携(びょうしんれんけい)という言葉を聞いたことがありますか?

日本の医療は恵まれています。患者さんはいつでもどこでも好きな病院で診察を受ける権利があります。
イギリスを含む欧米ではどこでも診察を受けることはできません。
まずはホームドクターからの紹介が必要です。
(紹介してくれと頼んでも必要ないと断られることも多いようです。)
専門医に診察を受けるのには時間もかかるそうです。
日本のシステムは御存知のように破綻しかけています。
大病院に患者が押し寄せて専門治療に満足な時間を割くことができにくくなっています。
そこで病診連携という概念が叫ばれています。要はイギリスのようにまずはホームドクターに診察してもらい、専門的な検査や治療が必要であれば紹介をする。
治療がひと段落すればまたホームドクターに見てもらうということです。理にかなっています。
イギリスなどとは違い紹介を希望すれば基本的に紹介をしてもらえます。
最近は病診連携を促進するために大病院は紹介状なしでは高い料金を取るようになってきています。
当クリニックも京都市立病院、第一・第二日赤病院、京都府立医大を中心に病診連携をしています。
クリニックも病院も人的・医療資源(検査などの医療機械)が限られてます。
クリニックではすべての検査・治療・診断が大病院並みにできることはありません。
定食屋さんで料亭と同じ料理を期待するようなものです。餅は餅屋です。例えば皮膚悪性腫瘍を専門に外来をしている先生がクリニックの医師と同じレベルであるとするなら、その専門の医師は普段何をしていたの?っていうことになります。
クリニックの医師の何倍も皮膚悪性腫瘍の経験と勉強と研究をしているわけです。検査は情報です。情報が増えて困ることはありません(逆に迷いが増えることもありますが)。
当クリニックでは患者さんの満足と安心を第一に考えています。詳しい検査・診断をご希望であれば遠慮なく申し出てください。希望の病院へ紹介いたします。
この医者にまかせ続けて大丈夫だろうかと心配になられることは私の望むところではありません。

さの皮フ科クリニック|京都|

2015年12月31日 木曜日