アトピー性皮膚炎について

アトピー という名前は、ギリシャ語のatopos(奇妙な)病気という意味です。良くなったり、悪くなったりを繰り返す、痒みのある湿疹を主な病変とする皮膚の病気です。大変昔からあったのですね。

①皮膚の炎症を伴う病気です

もともとアレルギー体質の人や、皮膚のバリア機能が弱い人に多く見られます。(喘息や、アレルギー性鼻炎、家族に既往がある人など)まだ原因ははっきりわかってはいません。

主な症状は、湿疹、痒みで、良くなったり、悪くなったりを繰り返して、なかなか治らないことが特徴です。湿疹は、赤みがある、じゅくじゅくして引っ掻くと液体が出てくる。長引くと、ごわごわ硬くなって盛り上がります。首、脇の下、手足の関節の内側などに出やすく、左右対称のことが多いです。

②原因はバリア機能異常と免疫の過剰反応

体の外から侵入してきた敵と戦って退治する免疫反応が過剰に反応して、不必要に炎症が起きてしまうことです。その理由として、体質、長期的皮膚に加わる強い刺激、ストレス、疲労などが挙げられます。皮膚の刺激には、ダニ、カビ、ほこり、石鹸、化粧品、金属、消毒液、汗、皮膚の汚れ、紫外線などが考えられます。

③治療のポイント

出来るだけ、早く、しっかりと炎症を抑えること、悪化要因を改善し、潤いを保つスキンケアが大切です。

*内服液…抗ヒスタミン薬は、内服の痒み止めです。  錠剤やドライシロップなどが あります。薬によっては眠                   気が起きることがあるので医師に相談して下さい。

*外用薬…ステロイド外用薬、免疫抑制外用 薬で炎症症状を抑えます。ステロイド外用薬は、5つのランク  に分類され、症状の強さや使用部位、年齢に合わせて使い分けます。「ステロイドを塗ると皮膚が黒く厚くなる」と思っていらっしゃる人がいますが、副作用ではなく、炎症がおさまった後の色素沈着のためです。 適切に使用すれば、副作用を回避し、高い治療効果を得ることが出来ます。

塗り方は、手を清潔にしてから、両手のひらに対し、人差し指の第一関節にたっぷり乗せた量を取り、炎症のある皮膚に点在させて、手の平を使って、やさしく丁寧に塗ります。

入浴は、38℃~40℃くらいで、汗をかいたら、まめにシャワーを浴びて、その後、保湿を十分にしましょう。

*紫外線療法…痒みを伝える神経に作用し 、 免疫反応を抑制する治療効果です。当クリニックでは、ナローバンド(全       身)と、エキシマライト(部分)をしています。痒みが治まってくると、劇的に改善がみられて来ることが多い です。週に1~2回のペースで続けると、効果が見られます。

なかなか完治が難しいと言われる皮膚の症状ですが、皮膚科専門医と共に、湿疹、痒みから解放されるように頑張っていきましょう。

京都でアトピーにお悩みの方はこちらのページをご覧ください。

参考文献:  あたらしい皮膚科学    中山書店      ステロイド外用薬の使い方ガイド 秀潤社

 

さの皮フ科クリニック|京都|

2019年12月27日 金曜日