アトピー協会の機関誌「あとぴいなう」インタビュー

20180305_P7ドクターインタビュー(アトピー協会 アトピー協会の機関誌「あとぴいなう」2018年3-4月号にインタビューが載りました。以下はその内容です。   JR・地下鉄京都駅前。塩小路東洞院スクランブル交差点にある、京都駅前さの皮フ科クリニックは2017年5月に五条烏丸より移転開院されました。「訪れる人に安心と満足を」を理念とし、地域の方に信頼されるクリニックを目指す、院長の佐野先生にお話しを伺いました。 ―――先生は当初より開業医を目指されたそうですが、そのきっかけや皮膚科を選択された理由などお聞かせいただけますか? 子どもの頃の将来の夢は、パイロットや新幹線の運転手などいろいろ変わっていましたけど、小学校3年生の時に町医者になりたいと思ってからは、そのままずっと町医者を目指しました。その頃は、私の周囲には親戚含めて医者や医療関係者がいなかったので、憧れになったのはかかりつけの内科の先生でした。私が受診すると先生は、これから3日間したら熱が下がって、少し咳が残るけど1週間で咳が止まるよと言われるとその通りになる。魔法使いのようにみえて、私もお医者さんになりたいと思いました。大きな病気をしたからとかではないですが、優しい先生に憧れました。なので、最初から開業医を目指していましたね。 医学部卒業後、進路に迷いまして取り合えずとして内科医を目指し、自分の専門を決めかねていました。内科の研修中に皮膚科の研修を受ける機会があって、そのときに非常に魅力的な科目だと思いました。皮膚科で必要な勉強は、食物や虫刺されなど生活のすべてにかかわることじゃないですか。医学だけではなく生活全般の勉強ができることに魅力を感じました。そこで皮膚科専門医を目指そうと決めました。そして大学病院の皮膚科も経験した方がいいと思い、地元の京都府立医大の皮膚科に入局しました。内科認定医の資格も取得しましたが、これまでで皮膚科医を選択して後悔したことは一度もありません。それぐらい興味深い科目なんですね。老若男女、感染症・膠原病から生活習慣病、癌などすべての科に関わっています。なので、皮膚科医というのはある意味全身をみる総合内科医のようだと思っています。 ―――治療に対する考え方、クリニックの特徴など教えていただけますか? 様々な価値観を持つ患者さんに対して、自分ができるベストは何かということを常に考え治療にあたっています。親戚のお医者さんのところへ相談に行くような安心感と、満足してもらえる医療を提供したいと考えています。 診察、治療は細やかな対応を心がけ、薬の扱い方、効能、副作用のチェックをこまめに行っています。そのため、こまめに定期的に診察することが大切だと考えます。しかし、皮膚科は待ち時間がかかるので通いにくいという声をよく聞きます。そのせいで、億劫になり皮膚の状態が悪くなった患者さんを診察するのもつらいものです。当院は順番予約が可能ですが、治療は多岐に及ぶためなかなか予定通りには進みません。そこで、受付後はホームページで診察状況がわかる工夫をしています。今後も、診察の満足度を下げず待ち時間を短縮できるよう、システムやスタッフの協力により少しづつ改善していきたいと考えています。 ―――最近の診療で、気になることなどございますか? 冬でも患者さんにマラセチア毛包炎(身体に生じる真菌による炎症)の方が増えていることです。去年ぐらいからシャツの下などに着用する防寒機能ウェアが流行っていますよね。繊維自体が発熱して、薄く暖かいことで人気がある。症状のある患者さんに聞くとだいたいの方が入眠中も着用しておられます。寒い所では便利なアイテムですが、着用して運動したり、寝るときなど蒸れて汗をかいてべちゃべちゃになると高温多湿になるので症状の出る方が増えています。せめて睡眠中は綿の下着がいいですね。マラセチア毛包炎は顔にできるニキビ(尋常性ざ瘡)の症状とも似ていますが、真菌が原因のため自然治癒は難しく市販の薬でも治りにくいので、気になる方は皮膚科専門医を受診してください。 ―――アトピー性皮膚炎の治療や、患者さんが注意することなどお聞かせください。 私が一番言いたいことは、アトピーの患者さんには寛解(人からアトピーと思われない)を目指して治療をしたいと考えていることです。肌はできるだけきれいになった方がいいと思っています。指示通りに治療し、受診をしてほしいです。 例えば、患者さんに、外用薬を「7日間でこれだけ塗ってくださいね」と言って、1週間分で100gぐらいドーンと出すと、1週間後に受診せずに「薬がまだあったから」と随分してから来られるケースがあります。また、次の受診までになくなるはずの量を処方しても薬が余っている場合もあります。家でのセルフケアの部分は見えないので、外来で指示する他に方法がありません。正しい量を塗ってもらうために一部だけ塗らせてもらうと、こんなに塗るのって言われることがあります。ステロイド外用薬などは、強いランクのものやたっぷり薬を塗るのが怖いと感じられている方もいると思いますが、症状を診てしっかり塗ぬるだけの量を処方しているので、信じて指示通り塗ってほしいと思います。 薬を一度にたくさんほしいと言われる方もいますが間違った使い方をして副作用が出ることもあるので、定期的に受診してもらわないと一度にたくさん薬を出すようなことは出来ません。でも実は薬って、ちゃんと塗ろうと思ったらたくさんいるじゃないですか。「しっかり塗ったらこれだけ良くなりますよ」と症状を診ながら一緒に治療していきたいので、定期的に受診してもらって正しい量を塗ってもらうことが大切なんです。とくに重症の患者さんには、治せないような皮膚になる前になんとか治療したいと思っていても、定期的に来てくれないと難しいなと思います。 アトピーが悪いって、見た目に分かるので社会的にもすごく損することもあります。しかも痒いと自分もいらいらするしね、見た目だけじゃなくつらいことが多いじゃないですか。だけど、アトピーの体質をもっていても一度がっちり症状を抑えたら、後は気になるとこに少し薬を塗る程度ですごせるようになる人も多いと思います。楽になると、生活がしやすくなりますよ。だからちょっとがんばって、忙しくても出来るだけ時間をつくって受診してほしいと思っています。 ―――アトピーの患者さんにメッセージを願いします。 いいお医者さんと巡り合って、自分に合った治療が出来ればいいと思いますね。その為には、いろんな先生がおられますが、ちょっと信じてみようと思える先生がいたら、一回素直に信じて言う通り治療を受けてみてほしい。それでダメだったら違う医者に変えてみればいいです。せっかく治したいと思って受診して、その先生もそれに応えようとしているのに指示通り治療しないのはもったいないと思います。こまめに受診しながら、先生との信頼関係を築いて治療を続けてほしいと思います。 ―――先生の趣味やストレス解消法など教えてください。 本を読むのが好きです。ストレスはよくしゃべる方なので、それで発散していると思いますね。 -----本日は、貴重なお話ありがとうございました。   京都駅前さの皮フ科クリニック 院長 佐野陽平先生 ■略歴 洛南高校卒業 福岡大学医学部卒業 京都大学医学部付属病院 内科 静岡県立総合病院 内科 京都府立医科大学 皮膚科 京都第二赤十字病院 皮膚科 京都府立医科大学 皮膚科 綾部市立病院 皮膚科(科長)医長 京都岡本記念病院 皮膚科(科長)部長 五条烏丸駅前さの皮フ科クリニック院長 京都駅前さの皮フ科クリニック院長 ■所属・資格 日本皮膚科学会 皮膚科専門医 日本内科学会 内科認定医 日本皮膚科学会 日本アレルギー学会 日本皮膚悪性腫瘍学会 日本美容皮膚科学会 日本東洋医学学会 日本内科学会

さの皮フ科クリニック|京都|さの皮フ科クリニック 院長

2018年5月24日 木曜日